返済計画を立てない人が破産する理由

数字を把握できなければ借金は返せない

賢く堅実な返済計画は、徐々にでも確実な元本返済を実現しますが、返済計画がなければいずれ破産すると言っても過言ではありません。返済計画を立てるには、まずは正確な借り入れ額と借り入れ先を把握することから始めましょう。概算ではなく、1円単位まできっちりと金額を把握します。「いくらの借り入れ額があり、いくらの利息が発生しているか」、これを把握できていない債務者は以外と多くいらっしゃいます。

そのため、催促が来た順にとりあえず支払い、自分の収支をまったく管理できなくなっていきます。多重債務でなければ大丈夫、と思いがちですが、借金が膨らむのはいつも無計画性から始まるからです。自分の収支をいつもきちんと把握できていれば、借金がやみくもに増えることはありません。旅行や住宅ローン、予期していなかった突然の出費などももちろんあり得ることですが、借金が膨らんでいるようであれば買い物のせいにはできません。

支払いを分析する

明細を集めたら必ず紙に書き起こすか、パソコンで表を作成します。一覧で見なければ、全体を把握できていることにはなりません。面倒でも必ず文字にしてください。表を作る際は、

・借り入れ先(もしくは出費)
・借り入れ額
・返済期限(もしくは支払い期限)
・月々の返済
・金利
・毎月の利息

を最低限リストアップしましょう。表にすることにより、返済金額や全体の出費を何となく掴めるようになります。これがポイントです。借金が膨らむのは、特別やむを得ない出費は別にして、把握出来ていない収支が原因です。収入が支払いを上回っていれば、借金地獄に陥ることはありません。

注意すべき点として、税金も借金の一部と考えましょう。税金は、仮に債務整理したとしても支払わなければならず、滞納すると延滞税(利息に相当する)の発生や、財産の差し押さえなどもあるからです。税金の支払いは義務であり、支払わない場合の措置もそれに応じた厳しさがあります。会社員の方で、会社がいつも給料から勝手に引いてくれているという場合でも、必ず書き出してください。自営業や転職した方に税金滞納者が多く見られ、単純な払い忘れも発生しています。

現状が把握出来たら、今度は具体的な返済計画を立てましょう。大原則となるのは、「支払いを収入より少なくする」ことです。黒字化しなければ、利息は支払えても借金を減らすことはできません。それでも計画を立てる意味もありませんので、とにかく収入が支出を上回るようにしなければなりません。収入が支出よりも多ければ、利息の支払いに加えて元本の返済ができます。

支出が上回っているものの、その差額が数万円程度に収まっている場合はどうでしょうか?出費を見直すことで黒字化出来ないか計画しましょう。家計簿を付けましょう。どこかに削れる出費がないか探すのに役立ちます。一見必要だと思っていた出費でも、家計簿を付けると無駄な出費に気付くこともあるものです。収支を冷静に考えるためには、数字を書き起こすのが一番です。付け加えると、返済期間を長くしてゆっくり借金を返そう、とは思わないでください。確かに毎月の返済額は減るかもしれませんが、総返済額は必ず増えます。返済期間を延長するのは最終手段です。

債務整理という手段

それでも収支を黒字化できなければ、債務整理する必要があるかもしれません。債務整理には、それぞれ、

・過払い請求
・任意整理
・個人再生
・自己破産

の4種類がありますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。いずれにしても、必ず弁護士や司法書士に相談するのが最善です。インターネットで簡単に無料相談の受け付けを探せるため、債務整理を始める前に必ず一度は専門家の力を借りましょう。上手くいけば、過払い請求で支払い過ぎた利息を取り戻したり、任意整理で返済額を調整できるかもしれません。

いずれにしても、返済額と現在の収支をしっかりと把握することで、確実な返済につなげていきましょう。