「借りたら返す」ではなく「借りたら増やして返す」が事実
利息を付けて返す
お金を借りると、当然ですが利息を付けて返さなければなりません。これが、返済額が借入額よりも多くなる理由です。利息とは、お金を借りる手数料、レンタル料のようなものです。借りたお金以外にも、返さなければならない金額が発生するため、利子の計算が重要になってきます。ところで、「利子」や「金利」という言葉もよく聞きますが、どのような違いがあるのでしょうか?
利子は、主に利用者が受け取る方の金額を指します。近年では、利息と区別なく使われることも多いようですが、銀行に預けたお金に対して、一定の割合で配給されるお金が利子です。この、利息や利子を決めるパーセンテージが金利です。利息も利子も、金利に基づいて元本から計算されます。利率や利回り、利子率なども呼ばれますが、意味するところは同じです。
当然ながら、利子を受け取る時は金利が高く、利息を払う時は金利が低い方がいい、ということになります。これは、お金を預けるときや借りるときには真っ先に知っておくべき数字です。基本的に、銀行は利子よりも利息の金利を高く設定してあるため、お金を預けた銀行からお金を借りると、支払い額の方が大きくなります。それが銀行の収入になるからです。
利息、利子、金利とは
カードローンを例にもう少し考えてみましょう。よく、「実質年利」や「年利」と表記されているのを見かけます。「実質」とか「年」が付いているため、金利の本当の金額は何なんだと思ってしまいますが、実際には「実質年率」も「年利」も、利息を計算する金利と同義です。そのため、カードローンでお金を借りる際には、実質年利や年利のチェックが最優先です。ちなみに、年利や金利を表示していないのは金融法に違反するため、融資を頼む会社の透明性には十分注意しましょう。
金利に高額な手数料を上乗せするのも、危険な金融会社です。金利に関しては、出資法という法律でカードローンの年利は最大20パーセントに決められています。これにより、どの金融会社も最大数値の20パーセント近くに設定しています。これに加えて、利息制限法でも貸し付けの金利を制限し、最大でも10万円未満の20パーセントとなっています。100万円以上だと15パーセントが上限で、消費者保護のために過度な利息を禁止しています。この数値を超えるのは違法な貸金業者です。これらの数値に基づいて、返す際の利息の金額が決まります。この金利ですが、銀行でお金を借りる場合と消費者金融で借りる場合で異なってきます。
消費者金融ではお金を借りる際のハードルが低く、審査も比較的緩いために金利が高い傾向にあり、銀行は審査が厳しい分低い金利が設定されています。借りた金額が大きいほど金利も低くなりますが、結果として返さなければならない金額も、元本に基づいて大きくなります。
法律で保護されているものの、借金には利息が付く
幸い、日本では上記のように金融関係の法律が機能しているため、法外な利息が原因で破産するようなことは基本的にありません。出資法が、上限利率を超えた貸金業者に刑事罰を与え、利息制限法は利息や遅延損害金の利率を制限して利用者を保護します。「グレーゾーン」金利など、法律のあやふやな部分もあって問題化したこともありましたが、2010年の法改正でそれもなくなりました。それでも、お金を借りると借りた金額以上に返さなければならないことに変わりはありません。
基本的に、借金という事実をごまかすこともできません。借りたお金は利息を付けて返し、そのためにはしっかりと稼いで自分のお金で返済することが絶対条件です。法律や金利についていくら学んでも、お金を取り巻く厳しい現実は変わらないことを覚えておきましょう。法律のおかげで借金地獄を見るようなケースは減ったものの、国や法律が借金を肩代わりしてくれることはないからです。