返済期間が長いほど返済総額は増えていく
返す期間に応じて変わる返済総額
お金を借りると、金利に応じて利息も加えた金額を返済しなければならないことは周知のとおりです。この利息は、返済期間が長引けば長引くほど増えていきます。元本に基づいて計算されるため、元本が残っているうちは永遠に増え続けていくからです。ですから、少しでも出費や返済総額を減らしたい場合は、とにかく早く借金を返済するしかありません。
利息の計算は、借り入れ時に提示された金利から計算できます。「借りた金額×金利×借り入れ期間」で、利息の金額が出てきます。借り入れ期間の数値をかけているため、当然返せない期間が長引くと、返済総額も高くなってしまいます。金利は法律によって定められているものの、最大で20パーセントと決して少なくはありません。
20パーセントという数値は、後述する遅延損害金の場合に適用されることが多いですが、最大数値でなくても15パーセントなど高めに設定されていることがあります。金利15パーセントで借り入れた場合、10万円を1年間借りると15,000円、100万円では15万円にもなります。この15,000円や15万円という金額は、返済に1年かかった場合です。もっと早く返済した場合は、その短さに応じて日割り計算され、その分利息も少なくなります。
日割り計算
日割り計算のルールは次の通りです。「利息=借入残高×年利×借り入れ日数/365日(うるう年は366日)」借り入れ日数が少ないほど、1日当たりの割合が少なくなります。これを実際の数値を当てはめて計算してみましょう。例えば、15万円を実質年利15パーセントで借り入れ、30日で返済した場合と60日で返済した場合です。30日で返済すると、「15万円×15パーセント×30日/365日」となるため、利息は1,849円(1円未満切り捨て)です。これが60日かかる場合だと、「15万円×15パーセント×60日/365日」となるため、利息は3,698円、つまり倍の利息を支払わなければなりません。
つまり、借金は返済期間が短くなるほど返済総額が少なくなり、返済に時間がかかるほど総額も増えていきます。最近では、クレジットカードの支払いにリボルビング払いなど新たな支払い方法が増えているように見えますが、借金の方法や名称が変わっただけで、実際にやっていることは借金と同じです。返済方法がどのような名称で呼ばれたとしても、返済期間が短ければ短いほど出費も少なくて済みます。
返済の長期化は危険
返済に時間がかかると、今度は新たな問題が発生します。「損害遅延金」です。返済期日を過ぎた場合に、遅れた日数分高い金利で支払わなければならない金額のことです。返済が遅れた金額には、通常よりも高い金利が設定されます。もちろん、その場合も法律によって定められた金利しか設定できませんが、どのカードローンや消費者金融も最大限の金利を設定しており、大抵は20パーセントか19.9パーセントです。その上、支払いが遅れたことは信用情報機関に登録されてしまうため、新たな借り入れが出来なくなったり、新しいクレジットカードの審査も通らなくなります。
カード会社や消費者金融の中には、直接連絡すれば返済期日を変更してくれるところもあるようですが、あくまで例外的な措置だと考えてください。いずれにしても、返済が遅れると普通はその情報は記録されてしまいます。最悪の場合、債務整理を行なわなければならないことにもなりかねません。任意整理や民事再生でも借金返済は続くうえに、自己破産となると資産の処分や就職制限なども発生するため、結局は借金の影響を受けることになります。お金を借り入れた場合は、やり繰りを出来るだけ早く返すことに集中させましょう。