30代がお金を借りる時に注意すべきこと

30代は借金の内容が変わる

30代になると、借金がある人とそうでない人の差が大きくなってくるのが特徴です。30代では新たな人生の局面を迎える人が多いため、結婚や出産に伴って将来設計が変わったり、住居を購入して住宅ローンを組むことで出費のスタイルが変わったりなどが理由に挙げられます。30代でする借金には、20代の頃にはなかったメリットとデメリットがあります。

数少ないメリットを挙げるならば、仕事に慣れたり昇進したりすることで比較的高い給料をもらえることで、少額の借り入れやカードローンであれば返済しやすいかもしれません。

しかし、圧倒的にデメリットの方が多いと言わざるを得ません。30代での借金は20代の頃のように取り返しがつきにくいため、 金銭的に大きな失敗をすることで老後にまで響く可能性があります。金融広報中央委員会がまとめたデータによると、30代の約半数以上が借金を抱えており、その平均額は900万円を超えています。もちろん、30代になると住宅ローンを組む人口も増えていくため、30代の約半数が生活苦で900万円以上の借金を抱えているわけではありません。

一本化が難しい場合も

借金癖のある人や、20代の頃の大きな借金の未だに抱えているという人もいます。そのような場合、複数の金融会社からの借り入れをまとめて返済することも提案されるはずですが、借金を一本化しても元金が減ることはありません。 借金が膨らんでいくのは、利息の返済が滞り金額が増えていくからです。 返済期間が伸びれば、その分利息を多く支払わなければならなくなるため、支払う総額も増えていってしまいます。

加えて、借金を一本化しても金利が思ったほど下がらなかったり、審査が厳しくてそもそも一本化することができなくなったり、あるいは以前に借りていた借り入れ先が完済することになるため、借り入れ枠が空いて新たな借金を抱えてしまったりなど、一筋縄ではいかない現実が待っています。

債務整理はその後の人生に相当な影響がある

30代で借金が膨らんでしまっている人は、債務整理を検討するかもしれません。債務整理は、上手くいけば利息を払わなくてよくなったり、元金そのものを減らせることもあります。しかし、どの方法を選ぶかによってその後の人生を大きく左右し得るため、慎重に検討すべき選択肢です。20代の頃のように、とりあえずリセットできれば再出発の選択肢が出来る、という可能性も低くなります。例えば、マイホームや土地、車、生命保険などある程度の財産を所有している場合、個人再生が勧められることがあります。

住宅ローン以外の借金を減額し、守りながら新たな返済プランを立てられるため、比較的ハードルの低い債務整理になりますが、安定した収入があることが求められ、また信用情報ではブラックリスト入りになります。さらに、借金に連帯保証人を付けていた場合、そちらに請求や取り立てが移行する可能性が高くなります。そもそも、裁判所を介する複雑な手続きであるため、弁護士や司法書士に相談したうえで時間のかかる作業です。これらを、仕事や今までの生活を続けながら行うのは簡単ではありません。カナダの著名実業家ケヴィン・オレアリーが語ったところによれば、老後に大きな影響を与えたくなければ45歳までに借金を完済すべきだそうです。

30代は、まだ余裕はあるもののあっという間に40代になってしまう時期です。利息の返済だけで10年過ぎてしまうことも珍しくありません。借金を返済しながら資産を作っていくのは非常に難しいため、住宅ローンや車のローン以外の借金が大きな足かせになりかねません。

30代での借金は、その後の人生に与える影響の大きさから、確実な返済が見込めるローンに絞っていきたいものです。